「そんなの気持ちじゃん? 気持ちが大事じゃん!」
黄泉川に相談を持ちかけたのが間違いだった、と一方通行は早くも後悔し始めていた。その気持ちとやらが良く分からない上に、そんなこっぱずかしいものは何とかオブラートに包みたいと思っているのにこの答えである。
「あのなァ……ガキにそンな本格的なヤツやってどうすンだよ?」
頬杖をついたままそっぽを向いて言うと、黄泉川が両手で頬を挟みこんでくる。そのまま一方通行の首は無理矢理90度曲げられた。グキッという嫌な音がする。
「オイッ、」
「子供だとか子供じゃないとかそういうこと言ってるうちはまだまだじゃん?」
思わず抗議の声を上げようとする一方通行だが、黄泉川が子供に言い聞かせるように顔を近づけてくるので言葉が続かない。そのまま額に当てられたデコピンの威力で一方通行は後ろへのぞけった。
「こンの、馬鹿力ッ!」
「ま、言葉が出てこないんなら、せめてあげるもので誠意を示すじゃん?」
「あァ?」
とっておきの秘策を授けるように、黄泉川はにやにやと笑った。
「手作りに勝る誠意はないじゃん?」


→参考になるものを部屋の中で探してみる
→いや、ぶっつけ本番で


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