**1**
 女子寮の食堂のテーブルに何かの包み紙が置いてあるのを最初に見つけたのはアンジェレネだった。明らかに何かを包んでいたであろう折り目のついた紙は、中身を取り出した後無造作に置かれたらしく、特に折りたたまれもせず放置されていた。
「?? 中身はどこに行ったんでしょう?」
包み紙をどけてみたりしたものの、特に何も出てこない。アンジェレネは首を傾げる。元々小腹が空いて食堂に来たアンジェレネは、中に入っていたであろうものが、何か美味しいものだったのではないか、と言う気がしてならない。
(お菓子でしょうか? それともおみやげ? 折り目からするとそんなに大きくないような……)
アンジェレネが、うーんうーん、と唸りながら、テーブルの周りをぐるぐるし始めたところで、
「シスター・アンジェレネ……」
ちょうど通りかかったのであろうルチアが声を掛けてくる。
「シスター・ルチア! これこれ、これ見てくださいよ! 絶対何か美味しいものが……あ、痛!」
「まったく、どうしてあなたはそう欲望から逃れられないのですか」
冷たい表情でぴしゃりと言うと、ルチアはすたすたとアンジェレネが旋回していたテーブルに近づき、そのまま紙を折りたたんでしまう。びっくりしたアンジェレネは、まるでその紙が美味しい食べ物そのものであったかのように、目を見開いて抗議した。
「あーあーあー、シスター・ルチア! それはこれからの推理に必要な、」
「あなたはいい加減禁欲と言う言葉の意味を考え直すべきです。毎日毎日この時間になると抜け出して……」
いつも通りくどくどとルチアのお説教が始まりそうなところだったが、妙にのんびりとした声がそれを遮った。
「あらあらあら、お二人とも、こちらにあった紙をご存知でございますか?」
振り返ると、オルソラがいつも通りのにこにこした顔で二人を見ている。ルチアよりもオルソラの方が話が分かる、と判断したのか、アンジェレネは、たたたっ、とオルソラの傍まで駆けていった。
「シスター・オルソラ、その紙ならシスター・ルチアが畳んじゃったんですよ! というか中身を知ってるんですか? な・か・み!!」
期待に目をキラキラさせて言うアンジェレネ。しかし、オルソラは相変わらずどこかズレた返答を返す。
「そう言えば、そろそろ夕食の準備をしなければ、でございますね」
「シスター・アンジェレネ、夕食と言う言葉に反応するんじゃありません。午後のお勤めもまだでしょう。働かざるもの食うべからず、義務を果たさないものに権利などあるはずがありません」
ぺしん、とアンジェレネの頭を叩くと、そのままルチアはアンジェレネの首根っこを引っつかむ。ご飯に未練をありありと示したアンジェレネはじたばたと手足を動かしながら必死に抵抗を試みるが、よほど怒っているのかルチアの手はびくともしない。口元に手をあてて、慌ててるんだか慌ててないんだか良く分からない顔で、オルソラは、あらあら、と首を傾げた。
「三人も雁首揃えていったい何やってんです?」
いつの間やってきたのか、そんな三人にアニェーゼが呆れた顔で声を掛ける。三人の様子を一通り見た後、アニェーゼはルチアの持っている包み紙を見咎めた。
「? 何です、その包み紙。何が届いたんです?」
「つい先ほど届いたのでございますよ。試薬なのだそうでございますよ」
「試薬?」
「胸が大きくなる薬だそうでございますよ」
「「おっぱい?!」」
反応したのは胸の小さな二人組だ。が、その後の行動は正反対だった。どこどこ、とアンジェレネはあちこちを探し始めるが、アニェーゼは反応してしまった自分を恥じたらしく、こほん、と咳払いをして言う。
「で、その試薬はどこに行ったんです?」
が、気になりはするようで、話題はそのまま『試薬』の話だ。ルチアはアンジェレネの首根っこを再度捕まえつつ、アニェーゼに言う。
「お言葉ですが、シスター・アニェーゼ。そのような薬など気にせず、勤めに戻るべきだと思いますが」
(そりゃあんたは必要ないでしょうよ……)
怒りに燃えた目でルチアに視線を向けるアニェーゼ。その視線にびくり、と背を振るわせたルチアは、すみません、と言わんばかりに目を伏せた。が、試薬の行き先を知っているであろう肝心のオルソラはいつの間にかキッチンの方に立っている。
「そろそろ夕食の準備を始めるのでございますよー」
「だーかーらー、その試薬はどこに行ったのかって聞いてんですよ! 聞こえてますか!?」
アニェーゼの怒号が女子寮に響き渡った。



**2**
(…………ごくり、)
五和は目の前の小瓶に視線を向けると、もう一度その瓶に書かれているラベルを確かめた。『ムネデカクナール』と日本語で書かれたいかにも怪しいラベルだったが、恋する乙女は盲目、まったくそんなことは気にならない。
(半ば強奪に近かったけど、奪ってきて良かった! これで女教皇様に勝てる!)
拳を握り締め、わなわなと震えた五和は目を閉じた。
 思い起こせば、長かった。あの少年にどれだけ一生懸命おしぼりを手渡しても、ご飯を食べてもらっても、その度に横から堕天使エロメイドだのなんだのでインパクトを掻っ攫っていった女教皇様。所詮隠れ巨乳は巨乳に敵わないのか、そう思っていた矢先のことだった――オルソラが、あらあらどうしましょう、とこの小瓶を持ってふらふらしていたのは。最初は手伝おうか、と思って声を掛けた五和だったが、ラベルの名前が目に入った途端に、ごるぁあああ、とばかりに小瓶を奪い去ってしまったのである。
(巨乳になれたらどうしよう……)
ぽわわん、と最初に頭に浮かんだのは変なメイド服だったりするのだが、五和は、ぶんぶんと首を振って頭からそれを追い出した。どうやら相当頭が侵されているらしい。
 とにかく、たら、れば、では始まらない。
(いざ、巨乳の世界へ!)
くわっと五和が目を見開いたのと、
「これは邪道なのよ。やっぱり天然物には敵わないのよな」
そう言いながら、小瓶を片手に建宮が首を振ったのが同時だった。五和はぱちくり、と目を瞬かせる。それから目の前の小瓶が置いてあった(はずの)テーブルと、テーブルの向こうに立っている建宮の手元に視線を行き来させた。その唇から、声が漏れる。
「な、ななななななな」
「ということで、これは本当にそういうのが必要な方に渡すのよ」
そうでなくちゃ面白くない、と言わんばかりにうんうん頷くと、建宮は携帯電話を取り出し、どこかへ電話を始めた。はっと気がついた五和が建宮に猛然と襲い掛かる。
「それは、渡しませんっっ!!!!」
「うぉっ、パス! パスなのよな!」
建宮の声に、天草式の他のメンバー(男だけ)が駆けつける。ここに、野望に燃える女一人と、それを阻止しようとする大勢の男たちの壮絶なバトルが始まった。



**3**
「何だかすごーく露出度の高い女から渡されたんだよ! これジュースだよね、とうま」
「…………どう見てもジュースじゃないと思うんだけど、聞いてくれなくて」
わくわくした顔のインデックスと困り顔の風斬が、下校途中の上条を取り囲む。取り合えず状況は一目で分かった。インデックスがまた風斬に世話を焼かせているらしい。露出度の高い女、という言葉に、どこか聞いたことがある奴だなー、と引っ掛かりを覚えながらも、上条はインデックスから瓶を奪い取る。あー、と抗議するインデックスの頭を片手で抑えつつ、上条は瓶のラベルを読んだ。
(『ムネデカクナール』……ムネデ? ムネ……胸っ!?)
そのカタカナを意味の通る単語として理解した上条は、くわっ、と目を見開いた。
(いやいやいや、こんな怪しいの、どう見ても罠だろ、罠。数々の不幸を経験してきたこの上条さんの第六感がそう告げてる、告げてますって!)
ぶんぶんと頭を振りながらも、それでも男の性か小瓶を手放せない上条。色々とあれやこれやと想像して固まってしまった上条に、おろおろした風斬が、あの、と控えめに出した声は届いていなかった。彼女が告げようとしていたのは、彼のすぐ横に暗黒のオーラを纏ったお嬢様が迫っていることだったのだが――
「……ちょっと、何やってんのよ?」
「へ?」
これ以上ないくらいにドスの効いた声に上条が振り向くと、何故かすごーく怒った顔をした御坂美琴が仁王立ちしていた。その横には軽蔑した顔の白井黒子の姿も見える。
「え、いや……? 何で怒られる展開なの?」
意味が分からず目をぱちくりとさせる上条だったが、
「とうまー、そのジュース渡すんだよ?」
インデックスが小瓶を奪おうとするあまり、抱きつくような格好になっていることに、その次の瞬間気づく。
「うわっ、何ですかこの体勢! いや、違……」
途端におろおろしだす上条。そういう態度がますます美琴を怒らせるのだが、今までそれに上条が気づいた例がない。取り合えず美琴はインデックスが上条に抱きつく原因になっている小瓶を奪い取る。
「何よ、これ?」
「あー! ビリビリ!」
「誰がビリビリよ、誰が!」
言いつつ、美琴は瓶のラベルに目を走らせ……その顔色がみるみるうちに青ざめていく。美琴の手元を覗き込んだ黒子は、うわぁ、という顔で上条の方を一瞥した。汚いものでも見るかのような冷たい目に、何だか涙目になってしまう上条である。
「お姉様! 黒子はお姉様はそのままの方が良いと思いますのよ! ごぶぁっ!」
黒子のフォローの言葉は、美琴の裏拳で粉砕された。どさくさに紛れて抱きつこうとしたのがバレたらしい。わなわなと肩を震わせている美琴に恐る恐る上条は声を掛ける。
「あ、あのー……御坂サーン……」
「こ、こ、こ、この、大馬鹿野郎ーっ!!!!」
瞬間、落ちる電撃。
(うぅ……不幸だ……)
上条は崩れ落ちた。



**4**
「それは何ですか、とミサカ19090号はミサカ10032号に疑問を提示します」
「見栄を張ったであろうお姉様から強奪してきたものです、とミサカ10032号は胸を張ります」
同じ制服、同じゴーグル、極めつけに全く同じ顔をした少女が三人も集まっている姿は異様だ。だがこの病院では、その辺りの事情を知っている面子しかいないので、問題はない――らしい。三人は特に一目を気にすることなく、静かな声で騒ぐ、という一種独特の行動を繰り広げている。
 二人の妹達、13577号と19090号は、最後の一人である10032号が手にしている小瓶をしげしげと眺めた。
「ブツが何かによります、とミサカ13577号は確認して……驚愕しますっ!」
10032号から小瓶を取り上げようとする13577号と19090号だったが、一足先に10032号は逃走を開始していた。慌てて二人は10032号を追う。その騒動はミサカネットワークを介して他の妹達にも広がっていく。
「これはこれは、是非とも手に入れたい一品ですね、とミサカ19009号は臨戦態勢をとり、ミサカ10032号の追跡を開始します」
「遠い中国よりも、同じ学園都市にいるミサカの方が有利です、と買い物中のミサカ10039号は同じくミサカ10032号の位置を確認します」
「ここは連携した方が良いでしょう、とミサカ13577号はミサカ10039号にミサカ10032号の現在位置を送信します」
どたばたと病院内を走っていく13577号と19090号。途中でカエル顔の医者に注意された二人は、律儀に病院内では早足で進んだが、外に出た途端、弾丸のごとく街を走り抜ける。元々ネットワークで繋がっている関係上、連携はたやすいが出し抜くのは難しい、というのが彼女たちだ。学園都市内の妹達は、10032号の位置を確認しつつ、彼女を追い詰めていく。
 ちなみに、この一件は、同じ顔をした少女達が次々に目撃される、という怪事件として、後々まで学園都市で語り継がれることになるのだが、それはまた別の話である。

「はぁ……はぁ、随分と、にげ、回りましたね、とミサカ13577号は賞賛を送りつつ、ミサカ10032号を捕縛します」
13577号は10032号を羽交い絞めにしていた。無表情に手をわきわきさせた19090号が、徐に10032号のポケットに手を突っ込む。10032号が一見したところ何も持っていなかったからだ。だが、何も見つからない。
「スカートのポケットはどうですか、とミサカ13577号はミサカ10032号の肘鉄をかわしつつ提案します」
ごそごそ、と今度は10032号のスカートのポケットに手を突っ込む19090号。だがまたしても空振りだった。
「? どこに隠してるのでしょうか、とミサカ19090号は驚きを隠さず首を傾げます」
念のために胸ポケットも探ってみたが、平らな見た目に反せず何も入っていなかった。19090号はもう一度ポケットに手を突っ込もうとするが、それを13577号は視線で止める。
「他にもまだ探すところはたくさんあります、とミサカ13577号はあれやこれやそれや、と何とか羽交い絞めの力を緩めずに頑張って指さします」
「なるほど、とミサカ19090号は頷きます」
「そ、そんなところにはありません、とミサカ10032号は抵抗を試みます」
「抵抗するところがいかにも怪しいですね、とミサカ10039号はミサカ10032号の抵抗を封じます」
往来、というほどでもないが、しかし全く人通りがないというわけでもない路上で、四人は冷静に騒ぐ。
 ちなみに、この一件は、同じ顔をした少女達が体をまさぐり合うのが目撃される、という珍事件として、後々まで学園都市で語り継がれることになるのだが、それはまた別の話である。

「肝心のブツはどこに行ったのですか、とミサカ19090号はミサカ10032号を詰問します」
はぁはぁと肩で息をしながら、諦めた19090号は10032号に聞く。彼女はどこか顔を赤くしながら答えた。
「実は……誰も気にかけないだろうと考え、上司に預けたのですが、とミサカ10032号は報告します」



**5**
「ってことでミサカはミサカは今日の冒険を報告してみる!」
「…………オイ、何だこりゃ」
打ち止めの手に握られた怪しげな小瓶を見咎めて、一方通行は彼女からそれを取り上げた。かーえーしーてー、と手をバタバタさせる打ち止めの額を手で押さえつつ、一方通行はラベルを読む。
(『ムネデカクナール』……オイオイ、何だこの馬鹿みてェなネーミングはよォ)
げんなりした顔で一方通行は、ほらよ、と打ち止めに小瓶を返す。持たせておくのも危険だが、男として逆にあまり持っていたくない代物だと思ったからだ。打ち止めは小瓶を受け取ると、にこにこ笑いながら一方通行に話しかけた。
「何だかミサカネットワークで話題になってたから取ってきたの、ってミサカはミサカはえっへんと胸を張ってみたり」
「……こンなンが話題になンのかよ」
あの妹達にも人並みにはプロポーションへの欲求があったのか、と一方通行は少し驚いた。揃いも揃ってあの無表情、あの無感情なのだから、てっきり全くそういうことには疎いのかと思っていたが。
「ということで、いただきまーす、ってミサカはミサカは、」
無言で打ち止めから再度小瓶を取り上げた一方通行は、小瓶を持っていないほうの手で打ち止めの頭を叩く。
「オマエ、何でこンな怪しげなモン、特に気にせず飲もうとしてンだァ!? バカか!?」
誰がどう見ても怪しい物体だろうと思った一方通行だったが、どうやらそうでもなかったらしい。小瓶を再び取り上げられた打ち止めは、怒った顔をして一方通行を見上げた。
「だってだって、胸が大きくなりたいんだもん、ってミサカはミサカはあなたに主張してみる!」
「オマエの年齢で大きくなっても気持ち悪ィだけだろォが!」
「じゃあ何歳だったら良いの? どれくらいの大きさなら良いの?ってミサカはミサカはあなたを尋問してみたり」
思い切り怒鳴る一方通行だったが、打ち止めの突然の切り返しに気おされてしまう。面と向かって聞くことでもないだろう、と思うのだが、打ち止めの視線は真剣で、目を逸らせる感じではない。
「……別に特にねェっつの!!」
随分長く黙り込んだ後、半ば逆切れしながら一方通行は言った。何が悲しゅうて、こんなクソガキに自分の好みを晒す必要があるのか、と開き直った一方通行は、話は終わりだ、と言わんばかりにどっかりとソファーに座る――例の小瓶を、打ち止めの手に届かない背の高い棚の上に置いてから。
「に、逃げた! 逃げたよ!ってミサカはミサカはあなたを問い詰める姿勢を崩さないで! 再度尋問に入ってみたり!」
「うるせェ! 特にねェってンだろうが!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人は、いつの間にか隣でその様子を観察している保護者二人に気づかない。
(またやってるわねー……)
(またやってるじゃん)
妙に生温かい視線で、彼女たちは二人を見守った。



**6**
「というわけで、これを月詠先生に進呈するじゃん」
「………………なんなんですかー、これは! こんなもの要らないのですよー!」
小瓶のラベルを目にした小萌は、ぷくっと頬を膨らませて黄泉川をジト目で見る。彼女のそういう様子からは、とても教師としての威厳だとかオトナの雰囲気だとかいうものは読み取れないのだが、小萌はあまりそういうことには頓着していないらしい。
 授業中だということもあり、職員室は適度に閑散としていた。たまたま授業のなかった黄泉川は、同じくたまたま授業がなかったのであろう小萌を見かけて世間話でも、と思い話しかけたのである――例の小瓶を持って。
「でもでも、タバコ小僧のことが気になるじゃん。年上の魅力を教えてやるじゃん」
「そ、そんなことありません! それに私はちゃんと年上の魅力を兼ね備えてるはずなのですよー」
一瞬だけ慌てた様子を見せた後、えっへんと胸を張る小萌だが、残念ながらその胸元は寂しいものだ。確かに彼女の教師としての態度は尊敬に値するものだし、それを年上の魅力と言ってしまえるのかもしれないが、容姿からは何ら年上っぽさは見受けられない。
「タバコ小僧とはよく話するじゃん?」
「し、しません……」
あまり見かけないですし、とぼそぼそと小萌は付け足す。黄泉川は、ほれ見たことか、とにやりと笑った。
「じゃあやっぱり外見は大事になってくるじゃん」
「う、うぅ……」
小萌は、少し屈んだ黄泉川の胸に恨みがましそうに視線を向けてしまっているのに気づき、ぱっと目を逸らす。小萌だって一応大人の女性なので、自分の体型が気にならないこともないような、微妙な気持ちがないこともない。けれど結局、負けた気分になることは分かっていたので、突っぱねた。
「気にならないったら気にならないのですよ!」
黄泉川は小萌がそう答えるのを予想していたのか、特に意に介する様子もない。
「取り合えず置いておくから好きにするじゃん」
笑いながら言い残して、黄泉川は職員室から出て行く。
 残された小萌は、ちらちらと小瓶の方に目をやりつつ、煙草に手を伸ばした。無意識に火をつけて、ふぅ、と息を吐いたところで、唐突にあの少年のことを思い出す。やっぱり、男の子なんだから胸が大きい方が良いのだろうか? いやいや、そもそもそういう関係でもないわけだしそれに――
 色々ぐるぐる考え出したところで、チャイムの音が小萌の耳を打った。
「あ、授業!」
我に返った小萌は、慌てて席を立つ。
(誰か必要そうな子にあげちゃいましょう! それが良いに決まってるのですよ!)

 こうして、はた迷惑な小瓶はどんどん回っていくのである。


-------------------------------------------
取り合えず、あまり書いたことのない主要メンバーを出せるだけ出してみた感じ
10000hit記念だというのにバカテキストですいません……誰が作ったんですかね、試薬(投げた!
長いテキストでも書いてみようかな、と思っていつもの通り書き始めたら緊張感が続かなかった件
シリアスで長く書ける人尊敬するよ!
こんだけキャラクターが出てくると原作の地の文とか呼び方とか確認するのが大変なんですが、
黒子とかは地の文では白井になってるみたいなんですけど、黒子の方がしっくりくるので黒子にしました、サーセン

上条さんは普通に巨乳に反応しそうだけど、一方さんはどう見ても貧乳派だよね!とか主張したい! 是非とも!
第三の主人公(かもしれない)浜面(というかアイテム)は、拍手お礼からどぞー


inserted by FC2 system