(……そォいや)
駅前の大きなショッピングモールで、ホワイトデーフェアとやらをやっていたのを一方通行は思い出した。やたらと甘い匂いをさせていたのが印象的だった。
「……まァ、悪くねェ選択だな」
ショッピングモールならば、万が一これといったものがなくても代用品なり何なりが見つかるだろう。一方通行は現代的なデザインの杖を片手にさっさと歩き出した。


 そして数十分後。
(オイオイ……)
ホワイトデーは男がお返しを買うイベントだと思っていたのだが、それは間違いだったのだろうか。一方通行がショッピングモールで目にしたのは、制服姿の少女達がお菓子に群がっていく光景だった。とてもじゃないが、飛び込んでいけるものではない。辺りを見回してみれば、主役のはずの少年達はどこか肩身が狭そうな様子でプレゼントを選んでいた。
「なンだこりゃ……」
取り合えず空いてるところはないかと一方通行はショッピングモールの中をぶらつく――と、どこか見覚えのある少女が、商品棚の上の方に手を伸ばしているところに通りかかった。
(ありゃ確か……)


→助ける
→やっぱり他のところにする


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